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STORY

エルメスの原点となる 馬具を使う 若き競技ジャンパー

Karen Polle

カレン・ポーリー

エルメス パートナーライダー(障害馬術)

世界中からトップクラスの馬術選手たちがこぞって集まる南フロリダの街、ウェリントン。そこには日々愛馬たちの世話をしながら、トレーニングに勤しむエルメスのパートナーライダー、カレン・ポーリーさんの姿がありました。

馬と共にある人生

――馬との出会い

7歳の頃、偶然通りかかった馬術学校に興味を持ち、父に「馬に乗ってみたい!」とねだったのが始まりでした。馬のことなんて何も知らなかったし、ましてや一緒にジャンプできる競技があるなんて想像もできませんでした。

最初は週に1回だった練習が、夏にはサマーキャンプで毎日乗るようになり、どんどん馬術の世界にのめり込んでいきました。今では馬が私の人生のすべてと言っていいくらいです。

カレンさん(左)と妹のエリカさん(右)

10代の頃から世界各地の大会で競技を続けてきましたが、2017年よりエルメスのパートナーライダーに。夢のような出来事でした。


――ジャンピング(障害馬術)を選んだ理由

障害馬術は私にとって大切な3つの要素が集結する競技なんです。まずは馬という運動能力の高い、素晴らしい生き物と一緒にできるスポーツであること。ふたつ目はジャンプしている瞬間の、馬とのチームワークによって得られる言葉にできない一体感。3つ目は競技として、の部分ですね。私は競争心が強く、毎日鍛錬して、大きな目標に向かって努力を続けることが好きなんです。そのすべてが合わさったのが、ジャンピングという競技だったんです。

――馬との関係

馬たちは私の親友でもあり、同時に大切なパートナーでもあります。彼らは毎日の練習に全力で臨んでくれ、大会に行けばそれがとても大切な場であることを理解してくれているように思います。言葉でコミュニケーションを取ることができない分、馬とのパートナーシップは毎日世話をして乗ることで、体を使って信頼関係を築き上げなくてはなりません。また、それを支えてくれているのが日々馬の体調管理をするグルームのローズや、冬から春にかけての拠点となるここウェリントンのファームのスタッフ、そして馬具をつくり提供してくれるエルメスという存在。アスリートである馬と私が大会で最高の力を発揮できるよう見守ってくれている、私にとって大切なチームなのです。

馬も人間と同じでストレスを感じたり、精神的に疲れてしまったりするのではないでしょうか。そのため毎日数時間、好きなように草を喰める時間を設けたりなど、できる限り馬らしくあれるような環境をつくってあげる、というのがグルームのローズと私の考え(哲学)です。

――エルメスの鞍

障害馬術競技は正確さがすべてのスポーツで、勝敗の決め手となるのはミリ秒、数センチといったわずかの差です。そのため、どんな決断の背後にも高い精度と細心の配慮が求められます。中でも馬の背に載せる鞍はジャンピングにとって最も重要な馬具の一つ。エルメスの鞍には、馬との距離を縮めてくれ、繋がらせてくれる一体感があります。それぞれの馬を採寸して、職人さんたちの手で一つ一つのステッチまで丁寧につくりあげられる鞍は、私とその馬だけにあった特注品です。馬それぞれの筋肉のつくりや体の形を反映し、ライダーである私の要望にも応えてくれます。

出来上がった鞍には馬とライダーの名前の両方が入ります。

これまで2度、パリにある鞍のアトリエを訪ねる機会がありました。そこには、これまでつくられた鞍がすべて記録されている本があったんです。その中に私と私の馬たちの鞍を見つけとても感動し、同時に創業以来馬具をつくり続けているエルメスというメゾンのとても大きな歴史を感じました。馬具をつくっている職人さんにも支えられ、これからも日々、より大きな目標に向かって鍛錬していきたいと考えています。

MORE ABOUT KAREN

カレンさんはどんな人?

1. 大会に必ず持っていくものは?

馬具一式、持っていくものは多いですが、馬との距離を縮めてくれるエルメスの鞍、そして美しいデザインのホルター(無口)、頭絡、ブライドル(手綱)などは欠かせません。練習中も競技中もエルメスの道具や服を纏うことで背がスッと伸び、凛々しい気持ちにさせてくれます。それからお守り二種も、願掛けで必ず持っていきますね。

2. 馬の性格について

セリーヌとジェット(正式名はジェット・ラン)は2頭ともとても運動能力が高い馬。ともにドイツ生まれのジャーマン・ワームブラッド種ですが性格はそれぞれですね。セリーヌはだんだん高く跳べるようになるにつれて、どんどん自信がついてきて、今ではとても威張っています。ジェットはとても優しく寛容なんです。最初はおどおどしていましたが、4年かけて彼の高さとスピードを引き出してあげることができたと思います。そんな馬たちと練習を重ね、一緒に過ごすことができるのはとても幸せです。

Karen Polle

カレン・ポーリー

障害馬術の選手。1992年、東京生まれ。アメリカ人の父と日本人の母を持ち、幼少期からニューヨークに育つ。2017年にはアジア圏初のエルメスのパートナーライダーに抜擢され、世界中の大会で活躍している。

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