銀座メゾンエルメスの建物のさまざまな場所には、「45」、「90」という正方形のモジュールが使われています。その数は、ざっと5,000以上。一目見れば印象に残るそのガラスブロックは45cm角。4枚合わせれば90cm角のスカーフ「カレ」の大きさになるんです。ピロティの足元のタイルは、90cm角。店内で使われる棚と棚の間も90cm幅。建築家レンゾ・ピアノが銀座のメゾンのために宿した美意識は随所に光り、いつでも私たちの目を喜ばせてくれるのです。竣工時の1階にはガラスブロックが開閉する駐車場があったこと、建物の奥側の棟は2005～2006年にお店を営業しながら改修されて広がったこと、近年各フロアごとに改装が行われたことなど、言われてみるとそういえば、今も正方形を基調としたラビリンスはその姿を変えつつ、広がりつづけます。

この銀座メゾンエルメスは、マジックランタンとも呼ばれています。夜になり明かりが灯ると、まるでランタンのように正方形のガラスブロックのひとつひとつが輝き、エルメスのシグネチャーカラーであるオレンジ色に染まります。まさに、オレンジボックスの魔法。正方形の「カレ」に使われるオレンジボックスも、もちろん正方形なのはお忘れなく。