MONTHLY EVENT
エルメスの
ミュージック
2024年 2月1日 〜 29日
2月の銀座メゾンエルメスは、ジュークボックスに変身して音に包まれます。今回のために特別なサウンドトラックをつくってくれたミュージックキュレーターのティエリー・プラネルにお話を聞いてみました。ティエリーは、いつもエルメスのメンズコレクションショーの音楽を担当しています。
――ショーサウンドの秘密
音楽は舞台の上で繰り広げられるストーリーを彩り、寄り添うものです。こと、ランウェイでは感情をかき立て、ショーをリズミカルにしてくれます。いつでもモダンであるべきなので、ショーのためには新進気鋭のアーティストの作品を選曲します。メンズ部門アーティスティック・ディレクターであるヴェロニク・ニシャニアンと選ぶ大好きなロックテイストのあるインディーズやエレクトロ系が多いですね。
――音づくりへの心得
細部の微調整にはキリがなく、ショーの前日ぎりぎりまでスタジオにこもり、最後のミキシングは入念に手をかけます。フィッティングと同じですよね……。サウンドトラックを構成するための第一段階は、これだと思える音楽を探すための長いリサーチの時間を確保すること。そして、最後にショーをまとめるサウンドトラックのミキシングを組み立てる4つの選曲を決めること。ショーが終わり招待客の拍手が聞こえたとき、ようやくサウンドが完成したと感じます。
――曲はフレンチ・タッチで
アルゴリズムで生成されたようなプレイリストは苦手で、エルメスのサウンドトラックは正反対のつくり方をしています。それは要望に応じてつくるというメゾンの世界観を示すものだと思います。ブティック向け音楽プログラムとしては、さまざまなアンビエント・ミュージックを6つのライブラリーにまとめました。それぞれに独特の雰囲気がある音楽を聴くことができます。銀座メゾンエルメスで流す音楽はニューヨークとも上海とも異なりますが、私たちの“フレンチ・タッチ”を感じていただければうれしいです。
――銀座のサウンドトラック
このプロジェクトには本当にワクワクしています。これまでにないサウンドデザインを表現し、銀座メゾンエルメスのための新しい音楽プログラムをつくり、サプライズなジュークボックスのミキシングを実現しますよ! 陽気で粋な音楽を、どうぞお楽しみに。
Thierry Planelle
ティエリー・プラネル
サウンドデザイナー、ミュージックキュレーター。エルメスのメンズコレクションショーの音楽を手掛ける。レコードコレクション『Hermès Silk Mix』のプロデューサーであり、エルメスのさまざまなイベントにおけるミュージックキュレーターでもある。