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エルメスの食卓へようこそ!

8月のランタンエルメスのテーマは「グルマン」です。食いしん坊なあなたには、エルメスのシェフ、エリザベス・ラルクトゥー=ティリーによるとっておきのレシピをお裾分けいたしましょう!

INDEX

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本場のラタトゥイユ

私がラタトゥイユをつくるときはトマトは使いません。酸味が出ないように、太陽の光をたっぷり浴びた完熟野菜を選びましょう。有機野菜を選べば、皮をむかなくてもそのまま使えますよ。美味しいラタトゥイユの秘訣は煮詰めること! 煮詰める作業を3回は繰り返します。ラタトゥイユは温かくても、冷たくても、常温でも前菜としてはもちろん、トマトやウサギに詰めたり、オムレツに添えるピペラードとして使ったりもできるので、つくりすぎるということはありません。さらに、瓶詰めにすれば冷蔵庫で長期保存できます(空気に触れる面積を少なくするため、瓶に押し込んで空気を抜き、上からオリーブオイルをかけましょう)。

INGREDIENTS

8人分の材料

  • タマネギ.....6個
  • 黄色や赤のパプリカ.....タマネギと同量
  • ズッキーニ.....タマネギと同量
  • ナス.....タマネギと同量
  • ピンクガーリック(できるだけ新鮮なもの).....1個
  • オリーブオイル.....300ml
  • バジル.....1束
  • タイムまたはセイボリー.....1束
  • オリーブ塩

STEPS

  1. タマネギとピンクガーリックの皮をむきます。
  2. パプリカ、ズッキーニ、ナスを洗い、ズッキーニとナスは横に4等分に切ります。塩をふりかけ、オリーブオイルをからめておきましょう。
  3. 4等分に切ったタマネギとスライスしたピンクガーリックをフライパンで炒めます。
  4. フライパンから「3」を取り出し、ズッキーニを炒めます。
  5. フライパンから「4」を取り出し、次にナスを炒めます。
  6. パプリカをグリルかサラマンダーで焼きます。時々ひっくり返しながら、皮全体が黒く焦げるまでまんべんなく焼きます。冷めたら皮をむき、切り開いて種とわたを取り除き、4等分にします。
  7. できるだけ混ぜないように気をつけながらすべての野菜を耐熱キャセロール皿(蓋つきの蒸し焼き鍋)に投入し、ハーブの枝を加えます。
  8. 130度のオーブン30分ほど加熱し、12時間寝かせます。
  9. 野菜から出た水分を濾してスキレットで煮詰め、とろみがついたらキャセロールに戻します。
  10. 「9」を3回繰り返し、3回目にオリーブを加えます。
  11. 野菜がキャラメル色になり、風味豊かな香ばしいソースでコーティングされたらできあがりです。
  12. 食べる直前にバジルを加えましょう。

CHEF’S TIPS

常に季節の野菜を使いましょう。パプリカは調理後に密閉袋に入れると、皮をむきやすくなりますよ。エルメスでつくられている〈ガダルキヴィール〉の大皿はオーブン使用可能ですし、まさにそのためにつくられています。

※〈ガダルキヴィール〉の大皿は現在お取り扱いがございません。

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手間ひまかけたキノコのラビオリ

ラビオリは生のラザニアシート(イタリア食材専門店で売っています)でもつくれます。生地をパスタローラーで薄く延ばし、クッキー型で丸く抜いて使いましょう。魚介が好きな方は、キノコの代わりにタカアシガニなどのカニを、リコッタチーズの代わりにマスカルポーネを使っても美味しいです!

INGREDIENTS

ラビオリ24個分の材料(前菜ならひとり3個、メインディッシュならひとり6個)

  • ラビオリ生地.....24枚(手に入らない場合、市販の餃子の皮も代用可)
  • 生のキノコ数種類(マッシュルーム、しいたけ、ポルチーニ茸、トランペット茸、ひらたけなど).....600g
  • エシャロット.....大1個
  • ほうれん草.....250g
  • ブイヨン出し汁用の野菜.....1kg(ニンジン、セロリ、リーク〔西洋ネギ〕の緑の部分、パセリの茎、タラゴンの小枝、カブ、キノコの軸など)
  • リコッタチーズ.....125g
  • パセリかフレンチタラゴン.....ひとつまみ
  • レモンの皮のすりおろし.....1個分

STEPS

ブイヨンづくり

  1. ブイヨン用の野菜を洗って刻みます。その際にフィリング(具材)用のキノコの下準備も行い、キノコの軸のみをブイヨン用の野菜に加えます。
  2. 大きめのダッチオーブン(鍋)に水と野菜を入れて30分ほどぐつぐつ煮込みます。
  3. 煮込んだ野菜をギュッと押しつぶして、さらに煮詰めます。この時点で野菜の風味はブイヨンに溶けきっていますので、すべての野菜を取り除きます。

フィリングづくり

  1. ほうれん草を洗って、キノコとともに刻みます(飾り用にマッシュルームを2個とっておきましょう)。
  2. エシャロットの皮をむき、みじん切りにします。
  3. フライパンに少量のバターまたは油(材料外)を入れ、エシャロットを炒めます。
  4. 刻んでおいたキノコとほうれん草を加え、塩コショウ(材料外)をします。
  5. フライパンに蓋をし、時々かき混ぜながら10〜12分ほど加熱します。ざるで水分を濾し、ブイヨンを加えます。
  6. 中くらいのボウルに「4」とリコッタチーズ、レモンの皮のすりおろし、刻んだハーブ(飾り用に少々とっておく)を入れ、混ぜ合わせます。

ラビオリづくり

  1. 作業台に粉を打ち、ラビオリ生地を丸く延ばします。
  2. 生地の真ん中にフィリングをのせ、ブラシか人差し指で生地のふちを水で濡らし、ドレープを寄せるようにして包んでいきます。
  3. 三日月形になるようにフィリングを包み、中身が飛び出さないように生地のふちをつまんでくっつけます。
  4. クッキングシートにラビオリを重ならないように並べ、片栗粉、コーンスターチ、または小麦粉(材料外)を軽く振ります。
  5. 天板やバットの上に並べ、ラップで覆って冷蔵庫で寝かせます。

調理して、召し上がれ!

  1. 大きめの鍋でブイヨンを加熱します(コクを出すために醤油(材料外)を少々加えましょう)。沸騰したらラビオリを入れ、3〜4分間茹でます。
  2. お皿に1人3〜6個のラビオリを入れ、「1」を少々注ぎます。
  3. 薄くスライスした生のマッシュルームとみじん切りのハーブを飾って完成です。

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洋梨とくるみのパンケーキ

このパンケーキのための生地を使えば、ブリニも簡単につくれます。フルーツの代わりに生地に軽めの生クリームを100 ml加えましょう。生地ができたら、フライパンで焼くだけでブリニの完成です!

INGREDIENTS

約2人分の材料

  • ロールドオーツ.....大さじ3
  • 卵.....1個
  • 有塩バター.....60g
  • 小麦粉.....150g
  • ドライイースト.....1袋
  • 牛乳.....250 ml
  • 洋梨またはりんご.....2個
  • クルミまたはナッツ類.....ひとつまみ
  • メープルシロップ(トッピング)

STEPS

  1. ボウルにオーツを入れて熱湯を注ぎふやかします。
  2. オムレツをつくる要領で卵を溶きます。
  3. 小麦粉とイーストを一緒にふるいにかけます。
  4. バターを溶かします。
  5. 洋梨の皮をむき、細かいさいの目にカット。
  6. クルミを砕きます。
  7. すべての材料を混ぜ合わせ、少しの間生地を寝かせておきます。
  8. バターを塗った熱いフライパンでパンケーキを焼きます(片面あたり数分程度)。
  9. 熱々を、または温かいうちに上質なメープルシロップをかけて食べましょう!

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よくばりフォンダンショコラ

甘めのチョコレートを使用した場合は、砂糖の量を適宜減らしても大丈夫です。それから、型に油を塗っておけば、フォンダンショコラを型から外しやすくなるんですよ。型に流し込んだ状態で冷凍保存も可能ですが、その場合は調理時間を2分長くしましょう。クレームアングレーズ(カスタード風味のソース)でバニラの風味づけをしたり、食べる直前にすりおろしたトンカ豆や挽いたシナモンをふりかけるなど、味を変えても楽しめます。

INGREDIENTS

フォンダンショコラ16個分の材料

  • 甘さ控えめなダークチョコレート.....500g
  • 有塩バター.....325g
  • 有機卵.....12個
  • 砂糖.....110g
  • 小麦粉.....130g
  • トンカ豆またはバニラで風味をつけたクレームアングレーズ(トッピング)

STEPS

  1. チョコレートとバターを湯煎で溶かします。
  2. 卵(材料外)と砂糖を合わせてよく混ぜます。「1」を入れ、小麦粉を加えてさらに混ぜましょう。
  3. 油を塗ったアルミのプリン型に流し入れ、冷蔵庫で冷やします。
  4. オーブンを180度で予熱し、8分間焼きます。焼き立てのフォンダンショコラにトンカ豆またはバニラで風味をつけたクレームアングレーズを添えていただきましょう!

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ふわふわメレンゲ

メレンゲは、ホイップクリームに混ぜれば甘みと食感が出ます。ストロベリータルトのデコレーションにも使えます。もちろん、余った卵白の有効活用にも! 多くのレシピでは、卵白の2倍の重さの砂糖が使われますが、私はそこまで甘くする必要はないと思います。1対1のバランスで十分ですよ。

INGREDIENTS

メレンゲ約10個分の材料

  • 卵白.....130g(卵1個につき約40〜45g)
  • アイシングシュガー.....130g
  • 塩.....ひとつまみ、または酢.....1ml
  • アーモンドスリーバード.....ひとつまみ(お好みで)

STEPS

  1. 卵白に塩をひとつまみ加え、スタンドミキサーでしっかり角が立つまで泡立てます。
  2. 少しずつ砂糖を加え、砂糖と卵白が完全に馴染み、ツヤと張りがある状態になるまで泡立てましょう。
  3. できたらすぐにクッキングシートの上に生地を丸く落とします。その際はくっつかないように十分なスペースをあけましょう。
  4. 外はカリカリ、中はしっとりのメレンゲがお好みなら、乾式加熱のオーブン160度で20分焼き、完全に冷めるまでそのまま置いておきます。
  5. 冷めたら取り出して召し上がれ!(メレンゲの角が崩れないように注意してアーモンドスリーバードを混ぜ込んで焼いても美味しいです。砂糖の効果で角がピンと立っていれば、角が崩れる心配はそれほどありません!)

CHEF’S TIPS

時間が経ってもメレンゲのサクサク感を保ちたい場合は、超低温(100度)で2〜3時間焼きましょう。その後、オーブンを使うたびに、使用直後にメレンゲをオーブンに入れ直します。こうすることで、余熱で完全に乾燥させることができます。きちんと乾燥されているほど長持ちします!

Élisabeth
Larquetoux-Thiry

エリザベス・ラルクトゥー=ティリー

エルメスのシェフ。パリの料理家一家に生まれる。祖母の故郷でもあるブルターニュ地方の島に2軒のレストランをオープン。2004年からはパリのフォーブルでシェフを務める。

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