ウィンドウの世界
ウェーブマシン オブジェたちの冒険

人工衛星やソナー(水中音波探知機)もない時代、航海士たちは波のうねりや星の輝き、そして自らの直感だけを頼りに世界の輪郭を地図に描いてきました。アーティストのホリー・ヘンドリーは、古航海図、ウェーブマシン(波動実験モデル)、そして木製のからくり玩具などに着想を得て、エルメスの2026年間テーマ「冒険の呼び声(L’appel du Large)」を新たな物語として再構築します。

機械的なリズムが刻むのは、創造の鼓動。このダイナミックな航海は「クラフトマンシップ」という確かな手仕事となり、「詩」という表現へと昇華されます。
切手が描かれたスカーフのカレ《フォーブルの切手愛好家》や、鞍のフォルムにインスパイアされて誕生したレザーバッグ《プティ・アルソン》などが舞台の主役。この「ウェーブマシン」は、エルメスのオブジェたちが未知の世界へ飛び出そうとする「冒険」への静かなる瞑想なのです。

Holly Hendry
ホリー・ヘンドリー
1990年生まれ。ロンドンを拠点に活動するアーティスト。スレード美術学校を卒業後、ロンドン王立芸術大学(RCA)大学院の彫刻修士課程を修了。2019年にはアーツ・ファンデーション・アワードの実験的建築部門を受賞、2013年にはウーン財団による絵画・彫刻賞を受賞。作品は世界各地で展示されている。