制作物の中心には
      いつも手の仕事がある

      Alain Pilon

      アラン・ピロン

      自己紹介をお願いします。

      私の名前はアラン・ピロンです。カナダのケベックでグラフィックデザインを学んだのちにイラストレーションの世界に入りました。これまで外国の新聞社などとも多くの仕事をしてきましたが、エルメスのために描いたのは2024年が初めてです。「Mystery at the Grooms’――エルメスの馬さがし」というイベントのために、書籍やアニメーションなどの形で楽しく遊び心に満ちたイラストを描かせていただきました。

      あなたにとってエルメスとの仕事はどんな意義を持ちましたか?

      エルメスが大事にしている伝統に、私自身のスタイルを織り交ぜながらイラストを描いていくことは、私の創造性を高めてくれる特別な体験となりました。でも、やっていることといえば子どもの頃と同じで、コピー用紙やボールペンなどありきたりな道具を使って描くことが好きですし、性に合っています。Photoshopで仕上げと色づけをして完成ですが、私のドローイングの中心にはいつも手の仕事があります。

      「Mystery at the Grooms'――エルメスの馬さがし」のためのイラストを描くとき、どんなことを考えましたか?

      エルメスの象徴的なオブジェを巧みに組み合わせて、無限の創造性が広がるメゾンならではの世界を描こうと思いました。特に気をつけたのは色彩とディテールです。ディテールこそが人々の好奇心を誘うのですから。直感的に描かれた線と正確に引かれた線が行き交い、エルメスのエスプリを形にします。こうしたビジョンに導かれながら、自分の納得がいくまで何度も描き直しました。

      今年のエルメスのテーマ「ドローイング - 描く -」を、作品にどのように落とし込みましたか?

      ウィットに富み、喜びに満ちたムードを携えながら、楽しく詩的な世界を創りたいと考えました。それは鮮やかな色彩で誘うダンスです!ユーモアと寛大さと職人技を駆使して人々に夢を与えたい。想像力が過去と未来をブレンドする世界を創りたいと思いました。もちろん、エルメスのルーツである乗馬を取り入れることも忘れずにね。

      日本のカルチャーに影響を受けたことはありますか?

      幼い頃から日本の漫画を読んだりアニメを観たりするのが好きで、影響は受けていました。特に60年代から70年代の漫や映画、テレビ番組が大好きで、ゴジラや魔法使いサリーちゃんやウルトラマンの大ファンです。今でも、ですよ!

      11月14日から始まる「Mystery at the Grooms’――エルメスの馬さがし」に来場される方へのメッセージをお願いします。

      謎めいていながらも、どこか懐かしい世界に迷い込んでみませんか?馬のひづめの跡が謎解きの鍵ですよ。馬探偵のオノレに導かれながら手がかりをたどり、ランタンの光を照らせば、きっと行方不明の馬たちを探し出すことができるはずです。

      Alain Pilon

      アラン・ピロン

      モントリオールを拠点とするイラストレーター。ケベック大学でグラフィックデザインを学ぶ。古典的なコミックに着想を得たダダイスト風コラージュやインクによるドローイングが特徴で、鋭いシュールレアリズム的なユーモアが漂う。2024年からエルメスが開催する「Mystery at the Grooms’――エルメスの馬さがし」のイラストを手掛ける。

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